キリンジ 朝焼けは雨のきざし
今日はキリンジについての記事で。
これも兄弟時代キリンジの名曲。
この曲は夜に聴きたいというよりは、爽やかな気候のときに聞きたくなる。
暗さ、ネガディブさなどは感じず、ポジティブになりたい時に聴きたい、
そんな曲調で一見前向きで清清しい曲に感じます。
そして、この曲の歌詞。
東の雲は紅く
黄金色に夜露は輝いてる
昇っては消えていく
煙は白く細い糸のよう
これらのような美しい景色や、楽しそうな情景を表す歌詞が、美しいメロディーに合わさって流れてきます。
さらに、
「始発よりも早く愛を届けよう」
「この運命にあらがおう」
と、ロマンチックな言葉で愛を歌っている、一見そんな風に感じます。
ただ、この曲の歌詞。良く聴いてみると。
「君の部屋のベルを僕は鳴らすのさ」
「ドアを開けてくれ」
と。
実はこの曲、主人公が愛を語っている相手である、「君」からの描写が一度もありません。
主人公が「君の夢を見て」、「君の部屋のベルを僕は鳴らし」、「この運命にあらがおう」としています。
ストーカーの歌とも呼ばれているのを見たことがありますが、その所以はこれだと思います。
美しい情景、爽やかなメロディーと、実際に歌詞からイメージされる現実のギャップ。
この3つがおかしな絡まり方をしており、奇妙な心地よさを感じています。
私は、この曲のそんな不思議な魅力にとり付かれてしまいました。
ちなみに。
堀込兄弟の兄:堀込高樹は、このような変態的な曲を書かせると天才だと、よく評されていますが、もちろんこの曲も兄の作詞作曲です。