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考える葦

新米SE。日々思ったことや好きな音楽など書いていこうかと 気軽にコメントしていってください、いろんな考えに触れてみたいと思っています。

トヨタ生産方式: かんばん方式

トヨタ生産方式:製造業

 今回は在庫について話したいと思います。

 

トヨタ生産方式の肝となる、一番良く知られたものかもしれません。 「かんばん」について。今回は大まかなかんばんの性質について記述します。 細かいかんばんの動きについては、少し理解しにくいのでまた今度にします。

トヨタ生産方式のキーワード:「かんばん」 

 

まずですが、「過多の状態」だと、必要な量が判別できない、という認識を持ってください。 

身近な例から考えましょう。

日本では多くの人がスマートフォンを使っていると思います。

そのスマートフォンに本当に必要な機能はなんでしょうか。

別の言い方をしましょう。

スマートフォンに「不必要な」機能はなんでしょうか。

多くの機能がスマートフォンには搭載されています。

その中には必要なものもあれば、不必要なものも入っています。

しかし、機能が過多なスマートフォンでは不必要なものを洗い出すのが大変です。

 

 このように、使用しないのに過剰に準備するのは、ムダです。

その分コストがかかってしまいます。

 しかし、「過多な状態」だと、必要か不必要か判断できません。

 

この例は身近な例でしたが、製造現場では「在庫」という形になります。

 

前提として、当たり前ですが在庫は必ず持たなければなりません。

これは、生産開始のタイミングと需要のタイミングがずれるからです。

「お米が欲しい」といって、スーパーにいって「お米が届くのは今から作るので半年後です」といわれたら、誰も買い物しませんよね。

 

なので、在庫は持つ必要があります。

ではいくつ持つ必要があるのか。

かんばん方式ではそれを管理することができます。

かんばん方式はプル方式の一種です。まずはプル方式を理解しましょう。

 

「プル方式」とは、後工程で、在庫が引かれた分を前工程から持ってくるという仕組みになっています。

 

エンドユーザーに近い工程を、後工程とよんでいます。

トヨタデンソーであれば、トヨタが後工程、デンソーが前工程です。

全ての工程が、必要数だけ在庫を持っていたとします。

在庫が減ると、必要数分だけ前工程から持ってきましょう。

そうすると、前工程がさらに前工程から持ってきます。

これを繰り返していくことで、必要数以上在庫を持たないようにする仕組みです。

 

かんばんは、この「必要数」をかんばん枚数の総数で管理している方式になります。

在庫必要数=かんばん枚数

にして、上記の仕組みを適用します。

それにより、必要数以上在庫を持たないようにすることができます。

では、在庫必要数=かんばん枚数にするためにはどうすればよいのでしょうか。

 

在庫必要数<かんばん枚数でまわしているとします。

ここでの在庫必要数とは、完成品在庫+仕掛品在庫を指しています。

かんばん方式では、現状、それでうまくいっているとするならば、かんばん枚数を一枚減らす、というルールになっており、以下のサイクルを繰り返します。

 

①在庫必要数<かんばん枚数-1 とする。

②かんばん枚数ー1=新たなかんばん枚数 とする。

③新たなかんばん枚数でうまくいっているならば、①へ戻る。

 

そして、うまくいっているのとうまくいっていないの境目が、かんばんの適切な枚数となり、必要在庫数になります。

通常の発想ならば「現状うまくいっているのだから変える必要が無い」というものでしょう。

しかし、かんばん方式の凄さの一つですが、「現状うまくいっているのだから少し少なくてもうまくいくだろう」という発想の転換をしています。

それにより、うまくいく場合とうまくいかない場合の境目を見つけられ、その結果必要最低限の在庫を確保することができる、という構造です。

こうすることにより、必要以上に在庫を持ちすぎないようにすることができます。

 

必要以上に在庫を持ちすぎないことには、もう一つメリットがあります。

それは、「3ムが排除」されるため、より問題や効果が顕在化させることができます。

 

もし、この状況で在庫が足りない状況下になったら?

そうなると、そこにはなんらかの「ムラ」が発生しています。

もし、作業者によってなんらかの改善が行われ、効率化したとしたら?

かんばん枚数が少なくなり、在庫を減らすことができます。

 

このように、作業者の作業効率の差や、改善結果がダイレクトにかんばん枚数、ひいては在庫数に影響する形を作ることができます。

 

もし、必要在庫数よりも過剰に在庫を持っていたとして、かんばんのように減らす仕組みがなかったら。

仕掛品在庫と完成品在庫の総数を管理する仕組みが無かったら。

改善した結果、仕掛品在庫が減り完成品在庫が増えただけ。在庫数として、改善結果は「見えていない」ですよね。

せっかく改善したのに、結果が見えてこない。結果が出ない頑張りを続けられる人間はほとんどいません。

そうすると、改善が定着しにくい現場ができてしまう、というサイクルになります。

 

実際のかんばんの仕組みは、このような数量管理の意味もあれば、かんばんにその部品が「いつ、どこから来て、どこへ行くものなのか」を書いておくことで部品に情報を持たせるという意味もあります。

モノに情報を持たせるという考え方も、industrie 4.0で提唱されています。

 

今回は「かんばん方式」の、ざっくりとした概念的な部分について触れました。

実は、「かんばん方式」は在庫を少なく保つことができ、数学的にも優れた方式であることが示されています。

興味がある方は是非一度調べてみてください。